巻きつくゴーヤのヒゲ

久しぶりスピリチュアル系の動画を辿っていると、

奇跡のリンゴの木内氏を紹介する動画にたどり着いた。

奇跡のリンゴの木内氏がどういう人であるかは、

多少は知ってはいた。

木内氏は苦労して無農薬無肥料のりんご栽培を達成したした人であると同時に、

龍に遭遇したり、に乗ったことがあるという、

気になるプロフィールをもつ地味なオジサンだ。

動画で書籍が紹介されていて、そうかと思ってとりよせることにした。

すべては宇宙の采配という本だ。

まだ最後までよんでいないが、途中にこんな話がでてきた。

リンゴの木に話しかけることが必要だと実感した木内氏が、

キュウリのツルについて語った話なのだが、

本ではツルではなくヒゲと表現されているが、

ここではツルとかかせていただく。

それで、その、キュウリのツルは、指をさしだすと、

子供とか無垢な人には向こうから絡んでくるのだとかで。

あるとき誰でもしっている宗教系の方がそれをためしたとき、

弟子は全員絡んでもらえたのに、

一番偉いトップの人は絡んでもらえなかった。

というようなエピソードが紹介されていた。

ふーんそうかと思った私は真夜中だったが、

庭に植えたゴーヤのところへむかった。

ゴーヤもキュウリと同じウリ科で、ツルがのびているから、

ためせるだろうと思ったのだ。

かぼそい05mmほどの太さしかないゴーヤの弦に

そっと人差し指をあててみた。

するとゴーヤのツルはあきらかにニョキニョキと動き、

指のまわりに弧を描いた。

すごいなウリ科、人を見る目ある!

予想外にわかりやすい動きをしたツルと、

自分は心が美しいに違いないということに感激し、

その日はぐっすり眠った。

朝めがさめてまっさきに思ったのは、もう一度ためそうということだった。

そしてせっかくだから動画もとることにした。

携帯でとった動画だから、そんなに画質もよくないが、

ツルがどのくらいの時間で絡んでくるかも、

動画にしっかり記録することができた。

隣室の方がキューリを育てており、

こちらの庭へツルをはわせてくれていたので、

そこでもためすことにした。

そのキューリはとても立派で、葉は私の顔よりおおきく茂り、

こちらのゴーヤのトウモロコシのヒゲのようなかぼそいツルにくらべて、

ウドンくらいの勢いでぐんぐんツルがのびていた。

角度によっては龍のようにもみえるキューリの立派なツルに、

私はそっと人差し指をあてた。

するとキューリのツルは、ゴーヤのツルにくらべてすばやく動き、

あっというまに指を一周し、さらに指をキュっとしめつけた。

ものの1分ほどのことだった。

まるで手をギュっとにぎられたかのようで、

淡い恋のような雰囲気がよぎった。

私は再び感激したが、その動画はとっていない。

時間あるときにまたとってみようかと思う。

一連のことを知人に伝えると、

自分もやってみたいとやる気をだした。

そこで私が動画をとったツルと同じツルで、

ためしてもらうことになった。

すると。

私のときよりはやく、ツルはくるくると、

巻いた状態になった。

ツルは指にまきつくのではなく、

指の下でクルクルとまるまっていったのだが、

私のときより反応がよくスピードがはやかった。

私より純粋なのか?!

ま、私はひねくれものだし、妬むし僻むし、

ツルは反応してくれたが、イヤイヤだったのかもしれないな。

そんなことをちらと考えたのだが、

その負け惜しみが私を冷静にさせ、

論理回路がうごきだすこととなった。

よくよく考えれば、キューリもゴーヤも、

ほうっておいてもどこかに勝手に巻きつくものだ。

宗教のオエライ方に巻きつかなかったというのは、

指のあてる位置がマズかっただけかもしれない。

私のはじまったばかりのツル研究による見解であるが、

ツルは観察すると巻きやすい方向があるのがわかる。

常にどこかに絡みつこうとしていっぱいにのびているが、

先端やツル全体をみると、どこかしらにゆるやかな弧がある。

その弧の内側に指をあてないと、ツルは巻きつくのに苦労する。

弧の外側に指をあててしまうと、

ムリな背筋をさせられるようなかんじになり、

背筋ムリだから体をねじって前屈できる体制に整えようとして、

タイムラグが生じる。

ツルによっては反応がわるいツルもあった。

そういった観察データは、もうすこし集める必要があるが、

大方そんな傾向があることが、今のところ認められる。

だから、そのオエライ方も、1時間ねばれば、

ツルはまきついたかもしれない。

宗教家は実は心が汚いこともあるというような話にもっていきたいがために、

ツルの習性への考察をすっとばすのはいかがなものか。

私たちはついつい、得意なスピリチュアル体験がある人の見解を、

鵜呑みにしたくなる傾向がある。

そしてそういう人の話にそって少しでも何か体験できるようなことがあると、

自分もスピリチュアル体験をしたということにしたいがために、

その体験が実は気のせい妄想勘違いのようなことであっても、

スピリチュアル体験をしたということに結論づけたがる。

木内氏が龍に遭遇しにのったことは、体験としてあったのだろうと思えているし、

無肥料無農薬のリンゴ栽培に成功したことは、客観的に確認できる。

そしてそれらは木内氏のひととなりから、信頼できることであると思える部分も多ある。

しかしだからといってキュウリのツルが、無垢な人にしか絡みつかないという話を肯定することは、

木内氏にとっても、読者にとっても、根拠となる検証が不足していると思える。

現状、そうだったらいい、そうであってほしいという希望が、

その話を肯定する大方の根拠になっているように見受けられる。

そんな中、きれいごとでとりつくろっている人が、

ツルが絡んだから、自分は心が無垢であるとか、

スピリチュアル的に優れていると思うとしたら、

なんだかスゲーむかつく。

木内氏のキュウリのツルの話には、

そういうキケンがある。

論理思考をすっとばして、スピリチュアルに浸りたい病を、

悪化させるキケンをはらんでいる。

というようなことを私はひととおり考えた。

庭でツルがまきつくのをまつにあたっては、

蚊取り線香をたいても蚊がよってくる。

そんな多少過酷な状況下であるが、

私はヒゲについてのデータをとるために、

ヒゲとの対話を、もうすこし数をこなしてみようと思っている。

ということでおしまいに、

今日とった3分ほどのまきつき動画をおいておく。